「密会」






―まずい

まただ。

まだ、全然テマリを満足させていないのに、イキたくなっちまう。

触れてしまうと、血液がソコに集中して、彼女の奥底に身を沈めることだけに囚われちまう。

逢った時から俺は興奮状態で。

奪うように唇を重ね、乱暴で性急な前戯をし、避妊具を付けるのももどかしく、

ほんのり濡れた彼女の秘部に、割って入る。

あとは、絡みつく肉壁の誘惑のまま高みまで一直線。

テマリとの逢瀬、最初の交わりはいつもこんな感じだった。





「・・・悪ぃ」

上がった息のまま呟く俺に、

「いつも、激しいな」

テマリはからかうように微笑んだ。

こういうときは決まって、年上の余裕、とでもいうようなものを感じてしまう。

多分、テマリ自身の気持ちよさはそれほど無いはずだが、

“一度目”は必ずといって良いほど、俺の身勝手な抱き方に身を任せてくれる。

毎回、それには甘えず、丁寧な手順を踏んで、充分悦ばせようと思っているのに・・・・・・

ホント、情けねぇな、俺。






「ちょっと、湯を浴びてくる」

するりと身を起こし、肩越しに振り返るテマリの横顔は、いつも、ぞくりとするような色気を含んでいる。

滑らかな曲線の下は形の良い臀部。そしてそこから伸びる両腿の隙間がつくる三角が、とても淫靡で、

気づけば、俺の分身は徐々に固さを増していた。

微かに届く水音に誘われるように、俺も浴室へと向い、“2度目”はそこで、始まる。





テマリの背中に散らばる、丸い水滴を1つずつ唇に含みながら、俺の両手は乳房を弄っていた。

それはまるで撓わに実った果実のようで、頂は種のように固くなり、指先で弾くと甘い吐息が漏れる。

人差し指と中指に挟んで、小刻みに震わすと、

「・・・んぁ・・・あ・・・や・・・」

吐息は声となって、浴室に響いた。その響きが“分身”の滾りを誘発する。

一度放出しているのだから、幾分の余裕はあるものの、俺の指先は、先へと急ぎ始めている。

本当に、なんだってこんなに我慢が効かないんだろう。

こちらを向かせて、種を口に含みながら、掌を腰へと滑らせた。

その先の茂みへとたどり着く頃には、もう、息遣いが荒くなっている。

ここで時間をかけて焦らせてみたり・・・と思っているのだけれど、いつも限界なんだ。

テマリの声と身じろぎに煽られて、濡れた秘部を確認すると挿入体勢だったりする。

腰を支えて、片足を持ち上げ、どっぷりと沈んでしまうんだ。





ベッドで身体を休めながら、ようやっと“まともな会話”が始まる。

俺はベッドヘッドに上半身を預けて、テマリは両肩だけをシーツから覗かせると、

時々その金髪を耳にかけたりしながら、柔らかい唇を動かしている。

彼女の話に相槌を打ちながら、俺は限られた時間の隅々まで触れていたくて、つい抱き寄せてしまう。

テマリと会うのは“これだけ”が目的じゃねぇ、話もしてぇ、出掛けもしてぇ・・・ってちゃんと思ってる。

身体だけ・・・なんて思われたくねぇし。

だけど、駄目なんだよなぁ、情けねぇけど。側にいれば、欲しくて欲しくてたまらない。

そして、今度こそは長い時間、楽しめるんじゃねぇかと、3度目を始めちまう。






組み敷いたテマリが、喉を逸らせ、顎を上げて喘いでいる。

導くように腕を伸ばし、俺は引寄せられて彼女の腿を割る。

溢れるほどに濡れた秘唇を、分身の先で撫上げると、テマリの腰が浮く。

馴染みすぎるほど馴染んだその先へと、飲み込まれようとした矢先、

来訪者が、やってきた。









俺は、むっつりと顔を歪ませていた。


―あの瞬間に、来るか?フツー。どんなタイミングなんだよ、ったく。



身勝手な八つ当たりだとわかっていても、苛立ちは隠せなかった。

どんなに切ねぇか、男なら誰でもわかるはずだ。

そんな俺に構わず、テマリはこの場を取り繕う術に大忙しだ。

来訪者は彼女の弟。

テマリの慌てぶりは尋常ではなく、ぐずぐずと服を身につける俺に、「今すぐ瞬身しろ」と容赦ない。


―マジ、かよ。あんな中途半端な状態のまま、消えろって?

  その後、会えるかどうかもわかんねぇのに?




―冗談じゃねぇ



「面倒くせぇ」

俺は、テマリの身支度を邪魔するように、その身にシーツをふわりとかぶせて、玄関へと向かう。

「おい!シカマル!?」

悲痛ともとれるテマリの声が追いかけてきたが、こんな状態で俺を追い出そうとする彼女への、意地悪さも顔を出し、

それを無視して、引き戸に手を掛けた。










「これで当分、邪魔されねぇよ」

返事の代わりに返ってきたのは、鋭い勢いで飛んできた枕、だった。

岩戸に閉じこもって出てこない、どこぞの女神のように、テマリは全身をシーツにくるんで悪態をつく。

彼女は大部分が“大人”だけれど、時々、子供っぽさも顔を覗かせる。

例えば、今、目の前で見せているような・・・・・・・

拗ねて、俺を頑なに拒否したり。

そのギャップが堪らなくて、ぐぐっと胸元を抉られるような感覚に陥る。

それは、結局、直結しちまうんだ。素直に、分身が反応している。

―病気かも、知んねぇな、コレ

でも仕方ねぇだろ?

いつでも、余裕、ねぇんだから。

だから・・・。




「まだ、足りねぇだろ?」




足りないのは、ホントは俺の方だけど・・・・・・。

しょーがねぇだろ?

始まったら、もう・・・、止められねぇんだから。


2008.6.24
es-pressivo/Riku


Temari ver.

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・・そんな訳で4度目突入ですね、夕子さん(笑)

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