再会


もう、会うことはないと思っていた。
会えるはずがないと、思っていた。
それでも折をみては文を送り、・・・けれど返事が届くことはなかった。
いい加減、あきらめようかと思っていた矢先、彼女が来訪した。




『再会』





下心が全くなかったと言えば、嘘になる。多分、目が合った瞬間、こうなることは予想がついた。向こうにその気が無くても、俺は食い下がって、引き留めて、抱いたと思う。交わす言葉もそこそこに、俺達は歓楽街の宿の一室で、身体を重ねていた。

彼女と肌を合わせるのはどのくらいぶりだろう?
テマリは、完全に『女』の香りを纏い、俺を導いていく。あの頃よりも、その肢体はしなやかに、そして妖艶に振る舞い、上がる声は俺の耳を撫で、誘われるように、幾度も唇を舐めてしまう。泉の深さは計り知れなく、止め処なく溢れ、淫靡な輝きを放っている。どちらかと言えば、受身だったテマリが、こんなにも大胆に、そして奔放に俺を惑わし、快楽の渦に巻き込んでいく。変わらないのは、その肌の温もりくらいだ。

(わかってる。あの頃と違うってのは)

手馴れた仕草が、彼女のそこここに見えない影を感じさせ、俺は、複雑な心境ではあった。けれど身体は、心と裏腹に刺激された本能に逆らうことなく、従ってしまう。そんな俺を見透かすような視線を投げて、彼女は、急かすようにか、焦らすようにか、すでにそそり勃ったモノに手を伸ばして、嬲りはじめた。

(あの頃、こんなこと滅多にしなかったくせに)

ちくりと胸を掠めた嫉妬心さえ、彼女の計算なのかと思うほど、その細い指先は、いちいち俺の感じるところを覚えていて、その上、舌先の奔放で、繊細な動きに、幾度も身体が反応してしまう。漏れた液体を、彼女はわざと音を立てて、啜った。

「・・う・っつ・・・」

思わず零れた俺の声に、彼女は根元を押さえていた指に力を入れると、その赤い唇が、ゆっくりとソレを飲み込んだ。

「・・テマっ・・ん・・」

狭い口腔で、舌先や歯が、時にゆるゆると、時に激しく、幾度も行き来きを繰り返す。

( そんなに・・・激しくされたら・・・まずいだろ。お前より、先にイっちまう)

意識を保とうとしても、のどの奥まで含まれると、彼女の頭を押さえ、つい腰を突き上げてしまう。彼女が苦しそうに喉を鳴らしたので、力を弱めたが、心の中はそのまま続けて欲しいと叫んでいる。

(本当に、マジィ・・・)

痺れるような気持ち良さに流されながら、彼女の腰に手を伸ばしこちらに引き寄せた。嫌がるような仕草を見せはしたが、多少強引に俺の胸の上で跨がせて、目の前に迫るその滑らかな丘に、口づける。

「んっ・・・」

丘を2つに分ける谷を指で辿り、泉に濡れた茂みを掻き分け、忍ばせた。重なるヒダをすり抜け、その先の蕾に触れる。

「やっ・・・あっ・・・」

彼女の唇が一瞬ソレを吐き出し、突然襲った快感に、上半身を反らせて応える。抗議するように、こちらに首を向けちらりと俺を睨み、腰を引こうとしたが、すぐに捕まえて、先程よりも力強く彼女の細い腰を手繰り寄せた。

「そのまま・・・続けろよ」

彼女は少し腰をくねらせたが、その白い両腿を腕で抱え込み、もっと脚を広げさせた。そして、内腿に舌を這わせてみる。

「・・・そ・・・んな・・風に、・・あ・・されたら、続けられ・・ない・・んっ・・」
「いいから」

溢れる泉を、そのヒダに沿って舐め上げ、蕾を舌先で突き、口に含む。


「あぁ・・や・・ん、あ・・・・」

蕾をきつく吸い上げると、もう、俺のモノをただ握るだけで精一杯のようで、彼女は上半身を大きく反らし、俺の胸を締め上げるように、膝に力を入れた。収縮し始めたヒダをさらに広げ、その奥へと舌先を窄めて、侵入する。

「あっ・・あん・・・・ん・・ん・・」

彼女の腰が揺れ始めた。逃れるように浮かしたかと思うと、俺の舌を求めて、沈んでくる。太腿が小刻みに震えだし、彼女が達しようとしているのがわかる。舌の動きをますます激しくすると、彼女が弾けるように身体を揺らし、そのまま横たえた。

俺は、のっそりと身を起こし、彼女を仰向けに寝返らせると、膝に手を掛け、身体に体重をかけ始める。彼女はまだ放心状態で、その身は力を失い、俺の為すがままのようだったが、泉の滴る入り口に、滾るモノをあてがうと、招くように両手を伸ばしてきた。

「んっ・・・」

幾分かの抵抗を感じながら、狭い肉壁を突き進む。すぐに絡みつくように俺自身を包む込むと、俺の動きに合わせて、彼女も腰を揺らした。

俺が突けば、その奥に到達させるように、彼女も腰を突き上げ、俺が引くと、彼女は内をキツク締め付けながら、引く。歓喜の声がそれに呼応し、荒く息を漏らしながら、それでも、その先の深い快楽を求めて、一緒に揺れ続ける。

(いつの間に、こんなに男を悦ばせる技を身に着けたのか)

そんなことを考える方が、無意味なことだろう。
もしも、あの頃の彼女のままだったら、きっとこんな風に、俺と抱き合うはずもない。脳内を微かに巡っていた、そんな面倒くさいことは、だんだんと、迫る快感の波にのまれていく。上になったり、下になったり、高みを迎えるその瞬間まで、一度もそこを引き離すことなく、俺達は、いつまでも繋がっていた。



達した後、久々に心地の良い脱力感に身を任せていると、テマリが、俺の胸に頭を預けてきた。

「お前、上手くなったな」

少し、篭った声が、肌を伝って耳に届く。

「それ、褒めてんの?」

彼女の言葉の意図がわからず、そう聞き返す。テマリは、顔をあげ、そこから俺を見上げると、深さを増した翠をまっすぐに向け、呟いた。

「・・・いや、妬いてるんだ」

(ずりぃよ、それ。 全く連絡をよこさなかったのは、そっちの方なのに。今更、そんなことを言うなんて)

その一言は、からかっているのか、それとも本心なのか。戸惑っている俺に、テマリはふっと口元に笑みを浮かべ、ただ、俺を見ている。

( どっちにしても・・・。 きっと彼女に会いたくなるのだろう。その指先が、俺を忘れないうちに・・・。また)

俺は再び、テマリの身体を、そこに、沈めた。




end

2007.11.21
espressivo/Riku



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