「シカ、マル、山中たちが・・・」

返事はない。



テマリの注意がそちらに向いている間に、シカマルは跪き、腿の間に顔を埋めていた。
慌ててその肩に手を置き、突き放そうとしたが、一瞬早く、彼の舌が最も敏感な部分に届いた。
与えられた刺激が声にならないように、堪える方が先だった。
まるで、わざと声を上げさせようとするみたいに、執拗に責め立てられる。

「やっ・・・シカ、マル、だめ・・・」

わずかに漏らした抗議の声に応えるのは、厭らしく響く泉の音。
シカマルの舌が這い回る秘唇から溢れ出る愛液は止め処なく、太腿を伝っていくのが、自分でもわかる。

「だめ、じゃねぇよ」

くぐもった声が下半身から聴こえてきた。

「人・・が・・・」

迫る快感に耐えながら、もう一度声を絞り出すと、シカマルが身を起こした。




「おとなしく、してれば平気だろ?」

耳元で囁いて、テマリの口を塞ぐ。
その所作に戸惑う間もなく、片足を持ち上げられ、直後に秘唇を襲う鈍い刺激。

「んっ・・・あぁ」

堪らず嬌声が漏れた。
いつもとは違う角度での挿入に、硬い分身が、狭い肉壁を奥まで入り込んだ。


火影邸内での秘め事。
いつドアが開くかわからない、緊迫感。
背中の向こうに感じる人の気配。
それらの要素全てが、更なる興奮を呼ぶ。
深まる快感の逃げ場はなく、2人の身体に還元されていった。

「テマリ、悪ぃ、もう、イっていい?」

荒い息遣いの隙間から漏れるシカマルの声。
そうして激しさを増した律動に、テマリも身を委ねた。
急加速、急上昇、そして、一瞬の浮遊感。

重なる密やかな叫びの後、ともに、果てた。





心地よい脱力感に包まれながら、シカマルはふと、思う。
(疑惑について、まだ何一つ、解消されていないってのに)
妙に心が軽いのは、何故なのか。
頬を紅潮させた恋人は、艶っぽく微笑んでいる。

「シカマル、私にはお前しか、いないよ」

そう言って、甘いキスをされてしまうと、面倒なことが全て、彼方へと行ってしまうようだ。
つい、言葉のまま、例え騙されていたとしてもいいんじゃないかとさえ、思ってしまう。

(情けねぇ、けど)

多分、より深く好きになったほうが負けなのだと、シカマルは心でひとりごちた。




2008.10.18

Presented by erp & riku

Picture by erp -Life work-
(素敵なイラストを快く提供して下さったerpさまに、感謝と、愛を!!)

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